軍師二人に想う

昨晩から読み返したのは 「軍師二人」。
大好きな司馬遼太郎氏の作品です。
たった30頁程度の短編集に納まる作品ですが、私はいつか映画化してほしいと切望しています。
ちなみにそのキャスティング(妄想)は草刈正雄さんと寺田農さんと決めています。


戦国末期、真田幸村後藤又兵衛、落ち目の豊臣家に仕官した二人の名軍師が
天才故、軍略上も感情的にも激しくぶつかり合い葛藤します。
しかし最期にその葛藤は憎悪という感情の応酬ではなく、互いの正当と軍略を認めて
それぞれが描いた華々しい死に場所をみつけることで、幕をひきます・・・


この作品から思うのですが、企業は戦国末期の豊臣家のように不振な組織ほど
参謀(軍師)が必要だと思います。
不振であればあるほど、深く考え抜き、勇気を以って行動することが求められるからです。
その為に従業員(譜代の家臣)だけでなく、ときにコンサルタント(軍師)を迎えいれ
垣根なく良いアイディア(勝てる軍略)を募るべきでしょうし、そのいずれかのアイディアの
正当性を証明する為に、不振を脱出する為に、決断して行動するべきかと。


この「軍師二人」では、主君が軍師二人のいずれの献策をとる勇気がなく
どっちつかずになって行動して、結局はそれぞれ玉砕してしまうのですが
それぞれが自身の軍略の正当性を思い描き、(あたったではないか)と
散っていけたことが軍師冥利に尽きるというか、せめてもの救いでしょうか。


軍師二人 (講談社文庫)

軍師二人 (講談社文庫)